ブルックリンメイドのウイスキー蒸留所 -製造も建物も“サスティナブル”で“クラシック”
キングス・カウンティ・ディスティラリー(Kings County Distillery)は、「現在」のブルックリンのウィスキー蒸留所の草分け的存在です。「現在」と書いたのは、かつてはブルックリンにもウイスキー工場が存在しており、キングス・カウンティ・ディスティラリーは、アメリカの禁酒法時代(1920年〜1933年)以来、初のニューヨーク・メイドのウイスキー蒸留所なのです。
2010年にウィリアムズバーグの小さなスペースからスタートしたキングス・カウンティ・ディスティラリー。2012年にはネイビーヤードと呼ばれる、かつてはアメリカ海軍のベースがあった敷地内の築100年になる古いレンガビルに移り、現在の工場をオープンしました。
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築100年以上という古いレンガ造りの建物を改修した工場。ここはヴィネガーヒル(1860年代に旧蒸溜所があったことで知られる伝説的な地区)から歩いてすぐという不思議な巡り合わせを感じる場所でもあります。
シンプルなボトルにもファン多し!こだわりの素材&伝統的な製法のウイスキー
近郊の小農家からウイスキーに使う麦や果物を取り寄せたり、敷地内でもウイスキーの風味付けに使うハーブを育てるなど、こだわりの素材を使い、伝統的な製法を守るウイスキー。生産数が少なくてとても貴重です。
ツアーに参加してウイスキー製造の工程を見学するのも楽しい
ツアーは、キングス・カウンティ・ディスティラリーの歴史や文化から始まります。蒸留の仕組みなども説明してくれて、蒸留の段階別にウイスキーの香りをかぐなど、トラディショナルなウイスキー造りを学べます。
工場見学ツアーは、火~金曜と日曜の15時・17時、土曜の13~16時の30分ごとに開催。所要45分で、平日は14ドル、土・日曜は8ドルです。
*以前は写真のように季節が良いとガーデンでのレクチャーもやっていましたが、現在は室内で行われています。
ウイスキーカクテルがおいしいバー(テイスティングルーム)を訪れるのも楽しい
テイスティングメニュー(有料)には、ニューヨーク州産のオーガニックコーンを80%使用したムーンシャイン、バニラやキャラメルの香りのバーボン、カカオの殻をムーンシャインに漬けたチョコレート・ウイスキーがあって、カカオの殻はマスト・ブラザーズ(ブルックリンの人気チョコレート店)から提供してもらっているそう。すべてのウイスキーは、もちろん敷地内の工場で作っています。
ウイスキーの余韻はお土産アイテムで
Kings County Distillery
住所:299 Sands St., Bldg. 121, Brooklyn, New York
電話:347-689-4180
時間:8:00~22:00(土曜は12:00~22:00、日曜は14:00~20:00)
休み:なし
URL:http://kingscountydistillery.com/
文・写真:上野朝子(ブルックリン在住 文筆業/コンサルタント)