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京都・わらびもちの名店「茶洛(さらく)」へ 手しごとが生み出す極上の味わいをいただく

日本人なら一度は憧れる特別な場所「京都」。7月は大祭・祇園祭が行われ、街のあちこちでお囃子の音合わせを耳にするとき。それに合わせて人々のボルテージも自然と上がっていく様子を肌で感じます。そんな梅雨どきから夏にかけて食べたくなるのが口当たりのよいみずみずしい生菓子。京都では、おなじみのかき氷や竹に入った水ようかん、寒天で固めた和菓子など、見た目にも涼やかなお菓子を見かけます。そこで今回は“涼菓子”の中でも、とびきり美味のわらびもちと、この菓子からみえてくるストーリーをお届けします。

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今出川大宮に構える 京都随一のわらびもち店

京都の歴史ある大学・同志社大学から今出川通を西へバスで約5分。南北を走る大宮通を過ぎると、左手に緑・白・茶のトリコロールカラーののれんが見えてきます。それがわらびもちの名店「茶洛」。1997年に紫野・大徳寺で創業し、現在の地に店を構えること約5年。移転してもなお同店の味を求めてファンが買いに訪れます。

精も根も尽きるかのごとく 練り続けて完成する逸品

同店自慢のわらびもちは店主・関川さんの手作り。抹茶味、ニッキ味、しょうが味それぞれを作るための原料として使用する食材は、国産さつまいものでんぷん、砂糖、水と、各風味付けの抹茶やきな粉のみ。保存料は一切加えません。
最初にでんぷんと風味付けの粉、水を混ぜ合わせ、なじんだら砂糖と混ぜて加熱。次に湯を加えたら、ここからが店主の腕のみせどころ。全身を激しくゆらしながら、大きな木べらで約20~30分程度ひたすら練り続けます。完成したわらびもちは熱いため翌朝にかけて冷まします。

この1工程だけでも大変な重労働ですが、練る作業は毎日夕方4時ごろから深夜0時すぎまでやり抜くのだとか。「若いころは体力もあったし力いっぱい練っていたけど、今は技術があるから上手にやらせてもろてます」とご主人。

とはいえ、70歳を超えてもなお創業時と変わらない味を提供し続けることは、並大抵の意志では成しえないこと。そんなご主人が人生をかけて生み出すわらびもちは、手土産用のほか店内のイートインスペースでもオーダー可能です。

上品な甘み、あっという間に溶けて消えるくちどけに感動

イートインではお茶つき。向かって左から生姜、抹茶、ニッキ

店内で食べる際はわらびもちをカットし提供してくれるので、切りたてが味わえます。味は抹茶、生姜、ニッキの三種。バットに流し込まれたわらびもちをヘラで切り分け、抹茶やニッキ、しょうがそれぞれの粉で“お化粧”。その様子は、まるで我が子を世話するような優しささえ感じられます。

フォークからこぼれ落ちてしまいそうなほどのみずみずしさに驚く

こうして供されるわらびもちは、皿を少し動かすだけでもふるふるとゆれるので、いかに繊細に作られたかが分かります。試しにニッキ味を食べてみると、口の中の温度でとろんととろけ、穏やかなニッキの風味がすっと跡形もなく消えてしまいました。ご主人の激しい仕込みからは想像もできないほど、デリケートで儚い甘味。今まで慣れ親しんできた固めのもちもちとした食感とは全く異なり、一口ひとくちを大切に食べたくなる、手の込んだ菓子です。

もちろんお土産にテイクアウトもOK。持ち帰りの場合は、カットしていない状態か、カット済みかが選べます。

風味をさらに良くする 最後の仕上げにもこだわりが

わらびもちにまぶす時も、こし器を使ってサラサラに。このひと手間で、口当たりと風味がグンと増す

また、わらびもちにお化粧をほどこす“お粉”にもこだわりが。抹茶は、京都の名物カフェ・京はやしやの母体で、茶の製造・販売を手がける老舗「林屋」の特注もの。お薄でものめるほどグレードが高く、色・香り・味全てがご主人の理想なのだそう。また生姜味は高知県産をサラサラになるまで細かく挽く手のこみよう。

柔らかいのにコシがある秘密

とろけそうに柔らかでありながら、角が立つほどコシがある。その秘密をご主人にたずねると「全ては練りで決まる」とのこと。例えば練る時の温度だったり、練る強さだったり、空気の入り方、ツヤやふくらみの加減など、様々な条件がぴったり合わなければ完成しないのだとか。

かといって技術があれば同じものが作れるわけではなく、季節で異なる温度や湿度、材料のコンディションなども肌で感じとり、熟練ならではの勘と腕で仕上げていく。だから「極限までの柔らかさとコシを両立させるには手で練るしかない」と語ります。

有数の高級旅館の女将も認めた味

ご主人が頑なに守り続ける味は、どのようにして生まれたのでしょうか。それは子どもの頃にお参りしていたお寺がきっかけでした。お寺を訪れた際によく食べていた門前のわらびもちが、ベタつくような口当たりだったため「もっと美味しいわらびもちが食べたい」と強く思っていたのだとか。

その幼心を叶えるべく独学で完成させたわらびもちは、市内の有名な喫茶店や料亭へ卸すところからスタート。当時はご主人が作るような商品は市内になかったため、卸す先々で大評判に。そのうち高級旅館の女将の目にとまり、当館の菓子として宿泊客へ供されるまでになりました。

こうして信頼と自信を積み重ね、大徳寺に店をオープン。今日に至るまで「わらびもちと言えば茶洛」と厚い支持を得ています。

店主の「手」が物語る 食べる人への想い

「お客さんがいらしてくださる限りは(わらびもち作りを)続けたい」とご主人。その手元を見せてもらうと、指の節が大木の枝のようにゴツゴツとしており、長年の苦労と経験を物語っていました。

ご主人のように、食べる人を想ってつくること。当たり前すぎて忘れてしまいそうな想いを、私たちもふだんの食事づくりから取り入れてみませんか。

【店舗情報】information

店名:京わらびもちの茶洛
住所:京都府京都市上京区今出川通大宮西入ル元北小路町147
電話:075-431-2005
営業時間:11:00~16:00(売り切れ次第終了)
定休日:水木休
料金:京わらびもち400円(イートイン)、900円、1100円、茶洛はんなりせっと750円、ほかあんみつやところてんも販売
販売店:茶洛
詳細は各種サイトで確認を。

http://www.saraku.jp

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