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ニューヨーカーが毎夏楽しみにしている野外イベントがあります。それは「コンサート イン ザ パーク(Concerts in the Parks)」と呼ばれる、ニューヨークフィル ハーモニック オーケストラの無料野外コンサートです。一流奏者たちの演奏が、マンハッタンのセントラルパークやブルックリンのプロスペクトパークなど、計5カ所の公園で、ピクニックをしながら聴けるという贅沢なイベント。このコンサートなしでは夏ははじまらないというニューヨーカーがたくさん集う、ニューヨークの夏の風物詩に今年も行ってきました。

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梅雨がないはずなのに、今年は結構雨が多いブルックリン。雨続きの予報にヤキモキしていましたが、朝のうちに雨は止んで、今年も、年に一度の楽しいイベント「ニューヨーク フィルハーモニック コンサート イン ザ パーク(Concerts in the Parks)」を聴きに、プロスペクトパークに出かけました。普段はマンハッタンのリンカーンセンターでしか聴くことができない一流奏者たちの演奏が、この日は無料、しかも公園でピクニックしながら聴けるという、なんとも贅沢なイベントです。

緑に囲まれた芝生の広場が会場。オープンエアで、時に空を仰ぎながら、上質の音楽を聴くのは、正装して出かけるコンサート会場とは全く趣が違います。 "真夏の夜の夢のようなコンサート” とわたしは呼んでいます。

会場はニューヨーク市内、5つの地区にある公園

コンサートは、ニューヨーク市の5つの地区で開催されます。マンハッタンの会場はCentral Park、ブルックリンはProspect Park、クイーンズはCunningham Park、ブロンクスはVan Cortlandt Park、スタッテンアイランドはMusic Hall, Snug Harbor Cultural Center & Botanical Garden。チケットはありません。8時のスタート時間に合わせて三々五々集まって、おしゃべりしながら、食べながら、飲みながら、開演を待ちます。自由が好きなアメリカらしい”ゆるさ”も、このコンサートの魅力なのです。

ステージ前のVIP用に設置された椅子席以外は、自由にキルトやブランケットを敷いて座ります。こんなふうに寝転がって曲を聴く人の姿も多いです。これが結構気持ちがよくて、このお父さんはいつの間にか寝てしまったようですね?

犬だってOK。このワンコは、曲がはじまると飼い主の横で、静かに座っていました。

散歩ついでにちょっと寄ってみた、くらいの軽い気持ちで来ているひとも(なんと贅沢な!)。

ピクニックは、近所のデリで買ったお惣菜を持ち寄ったりします。この日だけはアルコールも持ち込んでOKなので(普段は禁止)、ワインやビールを飲みながらクラシック音楽が楽しめるんです。

この日は、陽が陰ると涼しくなって、軽い上着が必要でした。準備よろしくブランケット持参で来たふたり。それにしても大きなブランケット!目立っていました。

今年の演目はドヴォルザークと、ミュージカルでもおなじみのあの曲

選曲は毎年、ニューヨーク・フィルのシーズンオープニングの曲が披露されます。今年は、ドヴォルザークの”Symphony No. 9, From the New World(交響曲第9番 新世界 )” 。この曲は、ドヴォルザークがアメリカ滞在中(1892年 - 1895年)に、「新世界」から故郷ボヘミアを想って作った作品だそう。初演は1893年12月16日で、カーネギー・ホールで、ニューヨーク・フィルハーモニックオーケストラによって演奏されました。

Dvořák’s “New World” Symphony (Opening Gala Concert 2016) by New York Phill

コンサートホールでのニューヨークフィルの「新世界」演奏風景。

2曲目と3曲目はミュージカルでもおなじみの曲。

2曲目は ”Symphonic Dances from West Side Story"。ミュージカル「ウエストサイド物語」の中の一曲です。パンチの効いたパーカッション、途中、演奏者たちが「マンボ!」と掛け声をかけるところでは、会場からも、もちろん大きな「マンボ!」の声が。会場は大盛り上がり!

3曲目もミュージカルで有名な ”An American in Paris ( パリのアメリカ人 )"。ジョージ・ガーシュウィン(なんとブルックリン生まれです)がニューヨーク・フィルの委嘱を受けて1928年に発表した交響詩で、初演は1928年、ニューヨーク・フィルによってカーネギーホールで演奏されました。

どれもニューヨークにちなんだ曲、というところが憎いです。

このコンサートのはじまりは1965年。2015年には、このコンサートの継続のために5億円を寄付したニューヨーカーが現れました

1965年にスタートした Concerts in the Parks は、ニューヨーク市の公的資金やニューヨーク州、知事の支援、スポンサー企業によって運営されていますが、2015年には、なんと2000万ドル(約22億円)をニューヨークフィルに寄付したニューヨーカーが現れました。更に500万ドル(約5億6千万円)を、このコンサートの継続のためにも寄付。まるで映画のストーリーのようですが、計り知れない富豪がいるニューヨークならではの、夢のような、でも本当のエピソードです。

この人物、足長おじさんは、現在、ニューヨークフィルの会長に就任しているオスカー・ストラウス・シェーファー氏。公園での無料コンサートのフルネームは氏に敬意を表して、今年からは Concerts in the Parks Presented by DIDI & OSCAR SCHAFER (ディディ&オスカー・シェーファー)になりました。ディディは奥さんのファーストネーム。奥さんもきっと、この事業に多大な尽力を注いだのでしょう。

だんだんと陽が暮れて、コンサートも終盤へ。

フィナーレは夏の夜空に花火

NYフィル@prospect park 2017

演奏が終わると同時にスタートする花火は、今年も演奏の余韻とともに夏の扉を開けてくれました。華美なコンサートではありませんが、このマジカルナイトを、来年はニューヨーカーとともに皆さんにもぜひ体験してもらいたいものです。

ニューヨークフィル公式サイト:https://nyphil.org

Concert in the Parkは、毎年6月中旬から7月はじめに開催。このサイトでスケジュールも確認できます。

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