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一息つきたいとき、気分が冴えないとき。香り高い淹れたてのコーヒーには心を落ち着かせる不思議な力があります。今回訪れたのは、中目黒の「ブルーボトルコーヒー」。提供する珠玉の一杯には、コーヒーを楽しむ人を育てる、たゆまぬ情熱が込められていました。大量消費の「ファーストウェーブ」から始まり、こだわりを追求しはじめた「セカンドウェーブ」、そして新潮流の「サードウェーブ」。コーヒー文化の流れを解説しながら、コーヒーの魅力をお届けします。

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そこでしか味わえない一杯を求めて 日本の喫茶店文化を取り入れたカルフォルニア生まれのコーヒーショップ

大手コーヒーチェーン店や100円コーヒーの拡大により、激戦化が進むコーヒー市場。手軽に誰もがコーヒーを飲むことができる時代ですが、日本には古くから愛されてきた「喫茶店」という文化があります。そもそもコーヒーのおいしさがわかるようになったのは、大人になってからのこと。お気に入りの喫茶店で店主が丁寧にコーヒーを淹れる様子を眺めながら待つ−。オーダーからコーヒーを味わう全ての時間が特別なものでした。そんな古き良き喫茶店文化を体現したのがカルフォルニアからやってきた「ブルーボトルコーヒー」です。2015年日本に初上陸して以来、そのこだわりの一杯は多くの人を魅了し続けています。

「フリーランスの音楽家でありコーヒーマニアでもある創業者のジェームス・フリーマンは、新鮮で本来のコーヒーの味を求めている人々のために、自らコーヒー焙煎をはじめる決心をし、創業しました」

そう話してくれたのは、広報を担当する齊藤友香さん。その革命的なジェームス氏の試みは、「コーヒー界のAPPLE」と呼ばれ、本国アメリカでのオープン後、瞬く間に人気に火がつき、注目を浴びます。

徹底したクオリティーコントロールから生まれる、最高の一杯

「革命的」と言われた具体的な方法は、“焙煎したてのフレッシュなコーヒー豆だけを販売し、フレーバーが最もおいしいピーク期間に飲んでいただきたい”というもの。豆も、買い付け専門のスタッフが責任をもって調達したものだけを提供するという徹底ぶりです。

「コーヒー豆は世界中の農家と直接契約を結び、新鮮かつ、持続的に購入ができるものを調達しています。米国では専任スタッフがコーヒービジネスの環境をより良くする取り組みを行っており、例えば、仲介業者を減らし、生産者と直接取り引きすることで彼らに利益が還元されるようにしています。また、ある農家からコーヒー豆を購入したとしても、利益はコミュニティ全体に還元するようにし、その発展に繋げています」。

最高においしいコーヒーを届けるのはもちろんのこと、コーヒーを心から愛するブルーボトルコーヒーは、そこに関わる全ての人の幸せを考えているとうわけです。その理念は、どこか日本の職人のような風格が感じられると思いませんか?

また、コーヒーのおいしさの鍵となる焙煎にもブルーボトルコーヒーならではのこだわりが。それぞれのコーヒーに合わせて、自分たちがおいしいと感じたターゲットフレーバーに焙煎し、提供しているのだとか。

「浅煎り=サードウェーブというように一括りにされがちですが、ブルーボトルコーヒーでは、コーヒー豆のキャラクターに合わせた焙煎をすることにこだわっているので、浅炒りを目指しているわけではないんですよ」

「サードウェーブ」とは、コーヒー業界の新潮流のこと。19世紀後半から、1960年代まで続く大量生産・大量消費のコーヒーの時代を「ファーストウェーブ」と呼び、以降、シアトル系コーヒーチェーンなどの台頭により広がった深煎りの豆を使ったコーヒーの時代を「セカンドウェーブ」としています。そして、到来した「サードウェーブ」。一般的に豆の個性を生かす浅煎りが特徴と言われていますが、ブルーボトルコーヒーは浅煎りだけにこだわるのではなく、自分たちの考えるおいしいコーヒーをより多くの方に届けたいという想いを一番大切にしています。

コーヒーの生産地への配慮や価値、コーヒーがカップに運ばれるまでのトレーサビリティ、豆の素材や淹れ方など、各々の工程にこだわるスペシャルティコーヒーを味わうことができるブルーボトルコーヒー。サードウェーブの特徴のひとつである「マイクロブリュー」へのこだわりも、他の追従を許さない徹底したクオリティーコントロールがなされていました。

一杯一杯、心を込めて淹れられるコーヒーに感じた「おもてなし」の心

ブルーボトルコーヒーの思いを理解したところで、こだわりの一杯を味わって見ましょう。「Today’s Drip Coffee」のメニューから選んでみることに。

「その日のおすすめを決めるのは、各店舗のバリスタたちです。店舗によって違ったコーヒーを味わえるのもブルーボトルの面白さです。常時ブレンドは3種類、シングルオリジンは2〜3種類が用意されています。ぜひその日のおすすめをバリスタに聞いて、バリスタとのコミュニケーションを楽しみつつ、コーヒーを選んでくださいね」。

そう、ブルーボトルコーヒーは、バリスタとの会話も楽しみのひとつ。コーヒーとはもっと心を込めてつくるべきという創業者のジェームス氏の思いがそこここに感じられますね。

さて、バリスタとの会話から選んだのは、「ベラ・ドノヴァン」という名のブレンドコーヒー。ベリーの繊細さとほのかなスモーキーさの絶妙なバランスをもった、最も人気のフレーバーなのだとか。

コーヒーは「マイクロブリュー」とも呼ばれる、ハンドドリップによって丁寧に抽出されていきます。ブルーボトルコーヒーでは、通常のMサイズにあたる少し多めのワンサイズのみでコーヒーを提供。これは、時間とともに変わる温度変化を楽しんでもらいたいという理由があるそうです。

コーヒーを抽出するドリッパーは自社開発したものを使用。なんと、構造や形状には物理学者の意見が盛り込まれているのだとか!

「ブルーボトルコーヒーが考えるおいしさをさらに表現しているのがコーヒー器具です。ドリッパーは植物が水を吸収する「毛細管現象」の仕組みからヒントを得て開発されたんですよ」。

陶器製のドリッパーは有田焼を採用。日本の伝統工芸が世界のブルーボトルコーヒーで使われているなんて。なんだか誇らしいですね。

香り高いコーヒーが注がれるのはガラス製のカップ。飲み口が薄く、時間とともに変化する味わいを余すことなく楽しめる工夫がここにも施されています。

大人気のペイストリー「リエージュワッフル(500円)」とともに味わう一杯。これぞ至福のひととき!スタイリッシュな空間も合間って、五感で最高の一杯を味わうことができました。

「デザインや店舗を設計する際も、近隣との相性を考えています。現在都内に6店舗を展開していますが、店舗ごとに内装を変えているのも、お客様にその土地でしか味わえない体験をしてほしいからです。そして、それぞれの地域とのコラボレーションも大切にしています。例えば日本ではパンを代々木上原にあるカタネベーカリー様にお願いしています」。

今回取材に伺った中目黒店にはワークショップスペースを併設。こちらではカッピング(テイスティング)やハンドドリップなどの体験セミナーが不定期で開催されています。

「セミナーを通し、コーヒーの楽しみ方や産地によるコーヒーの特徴の違い、農園や産地の方の想いやストーリーを知ることで、コーヒー豆がどのような過程を経て一杯のコーヒーになるのかを伝えることを目的としています。コーヒーを普段あまり飲まれないという方もセミナーをきっかけにコーヒーのおいしさを知っていただけたらうれしいです」

ブルーボトルコーヒー創業者のジェームス氏は、“日本の喫茶店文化は職人文化であり、カウンター越しに見るバリスタの姿は、ショーを見ているようなもの”と語っています。ブルーボトルコーヒーは、コーヒーだけでなく、バリスタとのコミュニケーションや彼らの技術、そして空間が生み出す価値を提供する都会の中に佇むコミュニケーションスペースなのかもしれません。

サードウェーブコーヒーの旗手として、コーヒーを楽しむ人を育てるブルーボトルコーヒー。その理念は、日本が誇る「おもてなし」の文化とよく似ています。1日の始まりに、ブレイクタイムに、ディナーの後に……。とっておきの一杯を味わいに、出かけてみませんか?

店舗情報 -information-

ブルーボトルコーヒー 中目黒カフェ
住所: 東京都目黒区中目黒 3-23-16
電話:非公開
営業時間:8:00〜19:00
定休日:無休

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