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“誰に贈っても外れナシ”の安定感。京都「紫野和久傳」のうるわしの手土産・れんこん菓子「西湖」が喜ばれる秘密とは

日本人なら一度は憧れる特別な場所「京都」。本格的な観光シーズンに突入した古都では、京都らしい風情を感じさせる手土産も注目の的です。そんな京都で生まれ育ち、街中の「美味しいもん」に出会った筆者が、その後東京に移り住み、最新の食文化に肌で、舌で触れてきた経験もふまえ、「うるわしの手土産」をご紹介します。今回は、「紫野和久傳」のおもたせから見えてきたストーリーをお届けします。

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老若男女問わず愛される、古都の定番土産

円山公園や清水寺、醍醐寺といった桜の名所がにぎわう今の季節。日が経つごとに肌で感じる春の兆しに、心なしか街自体がそわそわしているような感覚さえ覚えるなか、京都の食べ物も春ものへ衣替えしています。

本格的な観光シーズンに突入した古都では、都らしい風情を感じさせる手土産も注目の的。中でも老若男女に喜ばれ、“誰に贈っても外れナシ”として人気を集めている和菓子があります。その名も、れんこん菓子「西湖(せいこ)」。一流料亭として名をはせる「和久傳(わくでん)」の名物は今や全国に知れ渡り、各地からのラブコールが絶えない逸品です。今回はそんな和菓子がなぜ多くの人から愛されるのか、喜ばれる美味しさの秘密とは。そして、秘密の後ろ側に見えてきた“和久傳らしさ”に迫ります。

趣のある空間で味わう甘露に舌鼓

京都市の中心部・烏丸御池は、市内でも特にオフィスが立ち並ぶエリアです。同エリアのサラリーマンが行きかう御池通から一本南へ入ったところに店を構える「紫野和久傳 堺町店」は、昔の京町屋を彷彿とさせる趣のある外観。「京都にやってきた」と実感させてくれる佇まいです。温もりを感じさせる照明と素朴な土壁に囲まれた落ち着きのある店内は、1階に物販と、店内奥の坪庭をはさみ、さらに奥が料亭「室町和久傳」。そして2階に茶菓席をしつらえています。

1階の物販で購入できる、れんこん菓子「西湖」は、蓮の粉と水、和三盆糖とその糖蜜のみで作られたお菓子。菓子を包んでいる笹の葉を手にとっただけで、ふるふると揺れるそれを口に運ぶと、和三盆糖の控えめな甘味と糖蜜のコクがふわっと舌の上に広がります。そして特筆すべきは、笹の葉の清々しい香りと、蓮の粉が生み出す粘り、するんと喉を滑り落ちるみずみずしい食感。喉の奥にすっと消え去る甘味が恋しくて、いくつでも食べたくなる上品で飽きのこない味わいです。

ほか、オオバコ粉を主体に、笹のエキス・りんごで香りづけした西湖の春夏バージョン、ささのか菓子「希水(きすい)」や、わらび粉と大納言小豆を使った秋冬バージョン、ささのか菓子「笹わらび」も。季節を通して楽しめる味がそろっています。

笹から見えている右側の黄緑色の菓子が「季水」、左側の黒いお菓子が「西湖」。

料亭で供される「できたての味」が、なぜ名物菓子として知られるようになったのか

ねっとり、むっちりとした弾力は、くず粉やわらび粉とは異なる蓮の粉独特のもの。蓮の粉が使われている理由は、料亭「和久傳」の料理にルーツがあります。もともとは汁ものの椀だねといった料理用の食材として目をつけていたものの、当時の料理長の「和菓子の材料にしてはどうか」という発想から生まれたのだとか。試行錯誤のすえ出来上がった菓子は、材料を混ぜ合わせて熱し、練り上げ、蒸して笹の葉で包んだもの。コース料理を邪魔しない、かつ料理屋ならではの “できたて”の味でした。

その後、大徳寺に開店した「紫野和久傳」の陶筥弁当に入れられるようになると人気を呼び、同店の料亭の菓子として独立。瞬く間に看板商品となりました。

食材の美味しさを最大限に活かした味わいこそ、和久傳のアイデンティティ

わずかな材料と、一見簡素とも思える製法で作られる西湖ですが、なぜ「シンプル」にこだわっているのでしょうか。その秘密は料亭「和久傳」の誕生までさかのぼります。

和久傳は明治3年、日本海に面した京都北部・丹後の地で旅館業を始めました。その後、業態を変えて昭和57年に京都市東山区・高台寺に料亭を開店。飾り立てる懐石料理が主流だった当時の京都で、同店が目指したのは「素材のよさを最大限に活かした」新たな京料理でした。なぜなら、100年もの間、旅館・和久傳を育んだ丹後は海と山の幸に恵まれた場所。この地の野趣に富んだ良質な食材を活かし、京都の地で洗練された料理に昇華・提供することこそ、和久傳をして和久傳たらしめる理由だからです。

「素材の味を最大限活か」せるだけの食材と製法が、同店の真骨頂。そのポリシーは手土産でも同じこと。つなぎや甘味料、小麦粉などを一切使わず、同店の故郷・丹後の風味のよい久美浜あづきだけで作った「小豆菓子 あづき」もその一つです。

素材本来の美味しさを、味わう喜びを

あふれるほどの食品に囲まれている現代において、素材本来の美味しさを大切にしている「和久傳」。例えば春の山菜・ふきのとうをさっと味噌とあえてみるなど、和久傳のポリシーから見えてくる、暮らしの中で味わえる“素材の美味しさ”に、改めて目を向けてみてはいかがでしょうか。

店舗情報 -information-

店名:紫野和久傳 堺町店
住所:京都市中京区堺町通御池下ル東側
電話:075-223-3600
営業時間:1階 おもたせ 10:30~19:30
     2階 茶菓席 10:00~17:30(L.O.17:00)、土日祝10:00~18:30(L.O.18:00)
定休日:無休(元日をのぞく)
料金:れんこん菓子 西湖(紙箱) 3本入810円~
   ささのか菓子希水(紙箱)3本入810円~
   ※全て税込価格。ほか竹籠、陶筥パッケージもあり。
販売店:京都:大徳寺店、堺町店、ジェイアール京都伊勢丹店。
    ほか東京、名古屋の物販店、オンラインショップでも取り扱いあり。
    詳細は公式HPで確認を。

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