春のブルックリン、ファーマーズマーケットが楽しみな季節のはじまり

ニューヨーク市内で開催されているファーマーズマーケットの数は、規模の大小はありますが、100を超えています。安全な食に感心の高いニューヨーカーにとって、地産地消、オーガニックな食材が手に入るファーマーズマーケットは、日々の食生活になくてはならない存在です。今回のコラムではわたしが通うブルックリンのファーマーズマーケットの様子をご紹介しましょう。

  • はてな
  • Twitter
  • facebook
  • google+
  • LINE
841view

4月のニューヨークは、春がはじまったばかり

4月も半ばを過ぎて、ブルックリンもようやく春めいてきました!朝方はまだ寒いけれど、日中は気温が15〜18℃になって、外に出るだけで気分が上がります。

ニューヨークの暮らしは想像以上に冬が長く、11月の後半から気温がグッと下がって、12月〜2月はマイナス気温と大雪とのにらめっこ。そして暦では春が訪れる3月の終わりに、必ずと言っていいほど、最後の大雪が降るのが毎年の常です。そんな長い冬を越えて春を迎えるのですから、ニューヨーカーの喜びはひとしおです。街路樹はまだ裸のままですが、4月の終わりから5月の初めに開花する桜を、今か今かと期待に胸を膨らませる4月のニューヨークです。

ファーマーズマーケットにも活気が出はじめる季節

春がスタートして楽しみになるのが週末のファーマーズマーケット。一年を通して開催されていても、冬の間の地元野菜といえば根菜ばかり。4月に入って、少しずつ葉物が増えていく様子に、ニューヨークの季節の変化をこれほど感じられる場所はないなぁ、といつも感心しています。

ニューヨーク市内(マンハッタン、ブロンクス、クイーンズ、ブルックリン、スタッテンアイランド)で開催されているファーマーズマーケットの数は、規模の大小はありますが、100を超えます。その数は、わたしが暮らし始めた9年前の倍以上。地産地消、オーガニックな食材の需要がどんどん増えて、今ではマーケットが市民の食生活の基盤のひとつになっていることを示唆しています。

ファーマーズマーケットの歴史 -ニューヨーク豆知識-

ニューヨーク市でファーマーズマーケットがスタートしたのは1976年。マンハッタンのユニオンスクエアがパイオニアの地でした。地元のわずかな農家からはじまったこのマーケットは、いまでは「ユニオンスクエア・ファーマーズマーケット」と呼ばれ、毎週月、水、土曜日開催。一番多くのテナントが出店する土曜日には、約80のテントが並び、来客数も多い時は6万人という、ニューヨーク市の中で最大のマーケットに成長しました。野菜の他に、肉や魚、蜂蜜、パン、ピクルス、ワインなど、地元産の美味しい食材や、植木を買うことができます。このマーケットは、家庭用の食材を買いに来るニューヨーカーだけでなく、レストランのシェフたちが買いに来ることでも有名。これはファーマーズマーケットが、ニューヨーク内のレストランの質を上げる役割も果たしていることを物語っています。子どもたちの食育にも協力的で、小さな子どもたちが、学校の先生や親御さんたちに引率されながら出店者の話を聞いたり質問したりするかわいい姿を見かけることも多いです。便利な場所柄、最近は観光名所としても人気があります。

ユニオンスクエア・ファーマーズマーケット(マンハッタン)
(Union Square Farmers Market)

毎週月、水、金、土曜日8:00 a.m - 6:00 p.m. (一年中)
North and West sides of Union Square Park
最寄駅 : 14 St-Union Sq 駅 L,N,Q, R, W, 4,5,6ライン

ローカル度満載なブルックリンのファーマーズマーケット

わたしが暮らすブルックリン、パークスロープエリアでもファーマーズマーケットが開催されます。冬の間は足が遠のいていましたが、久しぶりに出かけてみました。

ここはプロスペクトパークの北側に位置するグランドアーミープラザと呼ばれる広場。ファーマーズマーケットは毎週土曜日に開催です。この日は、肌寒くてコートを着ている人が多かったけれど、やっぱり冬とは違う春の青い空の下、みんなのワクワクした気持ちが伝わってきました。最近は観光客の姿もちらほら見かけるようになりましたが、このマーケットのメインは、ローカルなブルックリンの住人です。犬連れや、子どもと一緒にやってくる人が多く、雰囲気はマンハッタンよりほのぼのとしています。

人気だったのが、どれでも5つで15ドルというハーブの苗を売る農家。庭やベランダにハーブを、という気持ちになるのも春の仕業ですね。

お目当の野菜は....

この日はリークが一押し野菜でした。他に、ケールやカラードグリーンもありましたが、元気はいまひとつ。青々とした葉野菜が出てくるのは翌週以降かなぁ。

野菜以外もいろいろあります

これはターキーファームのブース。お肉のかたまりの他に、ターキーバーガーやひき肉もあります。卓上コンロで試食用に、スパイシーとマイルドの2種類のソーセージを焼いていたので、わたしも味見。お肉の旨味が引き立つフレッシュな味わいで、マイルドな方のソーセージを購入しました。結構なボリュームで11ドル。さっそくこの日の夕飯に、玉ねぎや人参と一緒にオーブンでローストしていただきました。次はひき肉を買って、チリビーンズを作ろうかな。ファーマーズマーケットに来ると、生産者から直接買える安心感がうれしいですね。

放牧で牧草を食べている、ストレスのない鶏の卵

卵は、グラス フェッド チキン エッグ(Grass Fed Chekin Egg=放牧で牧草を食べている鶏の卵)専門のこの農家からいつも買っています。Lサイズの卵はワンパック12個入りで6ドルです。ホルモン剤も何も使っていない、ストレスなくのびのびと暮らしている鶏の卵は、食べるわたしたちもストレス・レス。こういうことを学べるのもファーマーズマーケット。

ニューヨークはリンゴの産地

ここはオーガニックのリンゴ農園のブース。ニューヨークはリンゴの産地って、ご存知ですか?しかも20種類くらいあるんです。わたしが好きなのはFUJI。日本のふじリンゴと同じ品種ですが、日本と比べるとサイズもバラバラで素朴な味わい。お値段は種類に関係なく1ポンド(約450グラム)2ドル。

ファーマーズマーケットのオーガニックの野菜やフルーツの形は不揃いです。こちらで暮らしはじめてすぐの頃は、マーケットに並んでいるヘンテコリンな形の野菜がとても新鮮に思えましたが、今はそれが当たり前になっていることに、ふと気がつきました。

ホースラディッシュの瓶詰めはお土産にも

写真右端に写っているホースラディッシュ(西洋ワサビ)で作った瓶詰めです。かわいいピンク色は、ビーツやホットペッパー入り。フレッシュで、瓶に鼻を近づけただけで、ツーンと辛さが伝わって、ソーセージやお肉の付け合わせに合いそう!と思いました。ひと瓶8ドル。日本へのお土産にもオススメです。

りんご農家が作るアップルサイダー・ドーナツは素朴な美味しさが人気

このマーケットでイチ押し&リピーターの多いのが、オーガニックのりんご農園が作っているこのアップルサイダーのドーナツ。会場の一番手前右に出ているりんご農家のブースで買えます。砂糖付きとプレーンがあって、2個で1ドル。ファンも多く、行列ができることも。買い物帰りに隣接のプロスペクトパークの芝生やベンチで頬張ると、格別の美味しさですよ。

コンポスト(compost = 堆肥) 用の生ゴミを集めるブース

このファーマーズマーケットには、コンポスト(compost = 堆肥) 用に、生ゴミを持ち寄れるブースもあります。

マーケット利用者は、生産者から直接安全な食材を購入するとともに、生産者の運営をサポート。そして食生活から出るゴミは、堆肥に変えて地元の農園やガーデンプロジェクトの土壌改良に利用されます。

ファーマーズマーケットは「消費者は受け身でなく、知ること、参加することが大事」ということを学ぶ場でもあるのです。

グランドアーミープラザ グリーンマーケットーブルックリン
(Grand Army Plaza Greenmarket)

毎週土曜日8:00 a.m. - 4:00 p.m(一年中)
Prospect Park West とFlatbush Ave.の角
最寄駅;2,3ラインのGrand Army Plaza 駅

筆者プロフィール

上野朝子(うえのあさこ)

ブルックリン在住。文筆業、コンサルタント。
日本では1993〜2008年まで茅ヶ崎市で輸入生活雑貨店「サザン・アクセンツ」を経営。傍で、アメリカン・アンティークやインテリアの本の出版、マンハッタンのNew York TAKASHIMAYA(2008年閉店)の商品買い付けコンサルティングを担う。

2009年に拠点をニューヨークに移し、現在はライフスタイル誌の取材・執筆、インテリアのコンサルティングなどを手がけながら、ブルックリンライフを楽しんでいる。

ブルックリン散歩BOOK 単行本(ソフトカバー)

暮らすように歩いて回る、ニューヨーク/ ブルックリンの街案内。大判地図と地域ごとのイラストマップが便利です。ナチュラルなのにとびきりおしゃれなブルックリナイトたちが大好きなスポットをコラムニスト&雑貨バイヤーの上野朝子が紹介します。ブルックリンは暮らす気分で町歩きが断然楽しい!

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

関連する買いモノ

関連する読みモノ

アクセスランキング

人気のある記事ランキング

kabukiペディア   >   kabukiオフィシャル   >   読みモノ   >   春のブルックリン、ファーマーズマーケットが楽し...

キーワード