何から揃える? ハンドドリップコーヒーを楽しむために準備するもの
自宅でハンドドリップコーヒーを楽しむためには、まず必要な器具を揃える必要があります。高価な器具を用意する必要はありませんが、自分が気に入ったデザインの器具を揃えることで、ぐっと気持ちが高まりますから、ぜひこだわって。ハンドドリップコーヒーをスタートするのに最低限必要なのは次の4つです。
・ドリッパー
・フィルター
・コーヒーポット
・コーヒーサーバー
この4点と、それからおいしい挽き豆さえ揃えておけば、ハンドドリップコーヒーライフをスタートすることができます。では、それぞれの道具はどうやって選べばいいのでしょうか。
カリタ式にメリタ式。ドリッパーはどう選ぶ?
コーヒードリッパーは、フィルターをセットして挽いたコーヒー豆をセットし、熱湯を注いでコーヒーを淹れるときに使う道具のこと。コーヒードリッパーを探していると、メリタ式、カリタ式……なんて言葉が飛び交ってくるものですが、いったい何が違うのでしょうか。
ドリッパーを選ぶ際にチェックするポイントは、ずばり穴の数と形状。たとえば、カリタというメーカーのドリッパーはお湯が落ちるための穴が三つ開いていますが、メリタというメーカーのドリッパーは一つしか開いていません。当然、穴がたくさん開いているほうが、お湯の落ちる速度が速いので、同じスピードでお湯を注げばコーヒーは薄めに入ることになります。
形状は、一般的に台形型と円錐型の二種類に分かれますが、お湯の落ち方、コーヒー粉とのふれあい方の違いで、味や香りに違いが出てきます。
いずれも好みの問題ではありますが、特にこだわりがないのなら、はじめはコーヒーメーカーのドリッパーを選ぶのがベター。コーヒーにこだわり、コーヒーを楽しむことに特化したメーカーの逸品だからこそ、やはり信頼できます。
漂白? 無漂白? フィルター選びのポイント
続いてフィルター。フィルターには大きくわけて、紙製のペーパーフィルター、金属製フィルター、布製のネルフィルターがあります。金属製フィルターとネルフィルターは繰り返し洗って使うことができてエコなのですが、一番普及しているのはペーパーフィルターです。どのフィルターを使うかによって味わいが変わってくるので、好みで使い分けるのが正解なのですが、ネルフィルターは淹れるのに技術を要しますし、金属フィルターは高価になりがちなので、はじめはペーパーフィルターからスタートするといいでしょう。
ペーパーフィルターにはいくつかサイズがありますが、ドリッパーに合わせて選び、フィルターの底を折り返してドリッパーに密着させて使います。漂白のものと無漂白のものがあり、コーヒーフリークの間ではどちらが優れているか論争が巻き起こることさえありますが、これは紙のにおいの残り方の違いです。無漂白のもののほうが紙のにおいは残りますが、コーヒー粉を入れるまえに湯通しすることで軽減できます。
ケトルではNG? コーヒーポットを選ぶ理由
コーヒーを淹れる際に大切な工程が「注ぎ」の作業です。コーヒーはその香りをより膨らませるためにも、お湯を注ぐ量とタイミングがかなり重要なカギを握っています。もちろん一般的なケトル(やかん)でもコーヒーは淹れられますが、よりおいしいコーヒーを淹れるためには、ほどよく注げるコーヒー専用のコーヒーポットを使うのがおすすめです。せっかく購入するのであれば、長期にわたって愛用できるポットを見つけたいですね。
コーヒーサーバーは購入すべき?
コーヒーサーバーとは、ドリップしたコーヒーを受ける容器のこと。もちろんコーヒーカップに直接受けてもOKなのですが、一度に二杯分以上のコーヒーを淹れる場合は、コーヒーサーバーを使ったほうが、風味がよく安定します。直火や電子レンジで温めなおせるサーバーもあるので、冷めてしまったときにも便利。ただし、風味は落ちてしまうので、大量に淹れて保存をするというのは避けたほうがベターです。
さっそくコーヒーを淹れてみよう
いよいよおいしいコーヒーを淹れるための手順です。
≪下準備≫
・コーヒー豆を中細挽き(ペーパーフィルター用)に挽いてもらっておく
・ドリッパーに粉をならす(1杯120mlあたり15g程度)
・コーヒーサーバー(カップ)を温めておく
・お湯を沸かしておく(90度程度)
≪淹れ方≫
①コーヒー粉全体にまんべんなくお湯をかけます。
②30秒ほど待ち、コーヒー粉が膨らみきるまで蒸らします。
③お湯を注ぎながら、コーヒー粉が膨らんだら休み、沈みかけたらまた注ぐ……を繰り返します。
時間をかけてゆっくり淹れればどっしりとした味わいに、スピードアップして注ぐことでさっぱりとした味わいに変化します。同じクオリティで淹れられるようになってくると、挽いた豆の風味が変化していく様子を楽しむこともできるので、ぜひチャレンジしてみてくださいね。
一見、難しそうに見えるハンドドリップですが、コツさえつかんでしまえばそう難しくはありません。お湯をドリッパーに直接注がないように注意し、一度に注ぎすぎないよう気を付ければ、たとえビギナーであってもおいしいコーヒーを楽しむことができますよ。
最近では、インスタントやドリップバッグのコーヒーであっても、十分にクオリティの高い商品が市販されています。とはいえ、コーヒーを淹れる時間もまた、コーヒーと向き合い、コーヒーを楽しむためのしあわせな時間。自分の手でじっくりと淹れたハンドドリップコーヒーで、いつもより少し贅沢な朝時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。