ワイン通の間では、ワインの当たり年、外れ年なんていう単語が頻繁に出てきます。そもそも当たり年というのはどんな年なのでしょうか?今回はワインの当たり年についてお話します。
ワインの当たり年とは?
2005年はボルドーは当たり年と言われています。当たり年とは、天候に恵まれとても品質のよいブドウが収穫された年のことを言います。同じフランスでもブルゴーニュは、2009年が当たり年と言われています。ブドウの質に影響を与えるのは、日照量と雨の回数や量です。当たり前ですが、地域が違えば天候も違いますので当たり年も違います。また、一般的に当たり年というとフランスのことを言っている場合が多いです。当たり年のワインは、オークションなどでどんどん価格が上がっていき、同じワインで違うヴィンテージ(収穫年)のものの価格よりも随分高額になることもしばしばです。スーパーヴィンテージとも呼ばれます。
当たり年以外は品質が悪い?
では、外れ年のワインは品質が悪いのでしょうか?決してそんなことはありません。ワインの原料はブドウですので、天候に恵まれることが大変重要です。しかし、それからは人の手によってワインになります。ワイン醸造家の巧みな技術によって、外れ年と言われるブドウからでも美味しいワインが造られます。また、醸造家も毎年ワインの質にバラつきがないように工夫しているところがほとんどです。
当たり年ワインの味わいとは?
当たり年と呼ばれるボルドーワインは、タンニンと呼ばれる渋みが豊富で若いうちに飲んでも渋みが強すぎて美味しくないものがほとんどです。そのため、当たり年と呼ばれるヴィンテージのワインは、何年も、場合によっては10年以上寝かせてから飲まれます。その熟成によってタンニンがまろやかになり、とても芳醇なワインに変化するのです。長い時間をかけてゆっくりと熟成をしたワインは香りが大変豊かで芳醇、タンニンのイガイガした感じはなく口当たりがまろやかになります。また、飲んだあとも口の中で長く余韻が続きます。長年の熟成を経て生まれたこの芳醇さが、ワインファンを虜にするのですね。
当たり年と呼ばれるワインですが、ブドウの出来がよいのはわかっていても、いざワインになったときに何年熟成されると飲み頃になるのかは誰にもわかりません。その秘密めいた部分もワインファンを魅了するひとつの理由かもしれませんね